Nagareyama Issuesデータをもとに描きだした課題
財政

民生費は10年で202億から433億へ。増えた分は何に使われたのか

一般会計歳出決算は平成27年度から令和6年度まで款別に公開され、決算カードは平成20年度分まで遡れる。それでも「款別」の粒度で止まり、事業まで下りられない。

1だれの、どの場面か

市政に関心を持ちはじめた30代・共働き

保育園の整備が進んだことは知っている。市の財政が大丈夫なのかは知らない。決算資料は探せば出てくるが、どの数字を見ればいいのか分からない。

いつ
予算・決算が議会で扱われる時期、選挙の前
どこで
市のサイトの財政ページ、議会の会議録
何に困るか
款別の総額は分かるが、その中身と、議会でどんな議論があったかがつながらない
今はどうしているか
見るのをやめる。あるいは断片的な数字だけをSNSで見る

2困っている場面

いま民生費202億 → 433億。増えたことは分かったぶつかる壁決算カードもExcelもある。どこを見れば中身が分かるのかこうしたい款から事業へ下り、その場で議会の質疑に飛べる

3ユーザーストーリー

  • だれとして市政に関心を持ちはじめた住民として 何がしたい気になる分野の支出が10年でどう変わったかを、グラフから追いたい なぜなら自分の生活実感と市の支出を結びつけられる
  • だれとして議員・記者として 何がしたい決算の数字から、その年の議会でのやりとりに直接飛びたい なぜなら数字の背景にある判断を確認して質疑につなげられる

4根拠

オープンデータ使えるデータセット

  • 一般会計歳出〈決算〉(平成27年度〜令和6年度)
    c_16 財政
    10年分。款別(民生費・教育費・衛生費・土木費・総務費・公債費ほか12款)。民生費202億→433億、土木費107億→76億、教育費78億→103億
  • 一般会計歳入〈決算〉(平成27年度〜令和6年度)
    c_16 財政
    歳出と対の10年分
  • 決算カード(平成20年度〜令和5年度)
    c_16 財政
    16年分。経常収支比率などの財政指標を含む
  • 一般会計〈事業財源別予算〉(平成28年度〜令和8年度)
    c_16 財政
    予算側の事業財源別。決算との突き合わせに使える

議会会議録から読み取れる論点

  • 財政運営 2018〜2026
    毎年の予算審査特別委員会・決算審査が会議録に残り、款別の増減理由が答弁として説明されている。議案の審議結果一覧も公開されている
  • 予算・決算 2018〜2026
    議案ごとに提出日・議決日・結果(原案可決など)が記録されており、会議録の該当発言と対応づけられる

市民の声まちづくり達成度アンケート 自由記述

  • おおたかの森地区に税が多く使われ、不公平感がある。避難場所の小・中学校の体育館に冷暖房がないことが心配。
    2020年・東部・南柏駅

5オープンデータ活用のかたち

使うデータ
一般会計歳出〈決算〉(平成27年度〜令和6年度)一般会計歳入〈決算〉(平成27年度〜令和6年度)決算カード(平成20年度〜令和5年度)一般会計〈事業財源別予算〉(平成28年度〜令和8年度)
つくるもの
決算エクスプローラ(グラフ+会議録リンク)
届く人
住民・議員・記者。特に「関心はあるが入口が分からない」層を想定する
  • 款別ストリームグラフで10年の推移を見せ、クリックで年度・款を選ぶ
  • 選んだ款・年度に対応する議会の質疑・答弁を、会議録から抜き出して並べる
  • 一人あたり金額に換算する(人口が16.4万→21.6万と増えているため、総額だけでは読めない)
  • 議案(提出・議決・結果)と決算の数字を同じ画面に置く

6どう測るか

  • 財政ページの到達数と滞在時間
  • 決算の数字から会議録へ遷移した回数
  • 「市の財政運営に納得している」割合(まちづくり達成度アンケート)

7実現度と、足りないデータ

データ充足度5/5
実装難易度3/5

足りないデータ(公開要望のたたき台)

  • 事業別決算(款別までしか公開されていない。ここが下りられない最大の理由)
  • 予算科目と事業名の対応表
  • 会議録の構造化データ(現在はテキストのため、発言と議案の対応づけは機械抽出に頼る)